プロンプトエンジニアリングの新しい手法です。 言語モデルの業務での活用では推論能力やハルシネーションの軽減が重要だと言われていますが、このような定量的成果が出ている手法を試すのも一つの手段かと思います。
サマリ
どういう論文?
- Analogical Promptingという新しいプロンプト手法を提案。大規模言語モデルの推論プロセスを自動的にガイドする。
先行研究と比べてどこがすごい?
- ラベル付きの推論プロセスの例が不要で、一般性と便利性が高い。
技術や方法のポイントはどこ?
- 類推推論に基づき、問題解決の前に関連する例や知識を自動生成。
どうやって有効と検証した?
- 数学問題解決、コード生成、その他の推論タスクで0-shot CoTとmanual few-shot CoTを上回る性能。
議論の内容は?
- 提案手法は各問題に適応する能力があり、拡張性が高い。
アブスト- GPT要約
アナロジカルプロンプティング: 類推推論に基づく新しいプロンプティング手法
主要機能
- 類推推論: 人間の認知プロセスに触発され、関連する過去の経験や知識を活用。
- 自己生成: 言語モデルが関連する模範例や知識を自己生成。
- 適応性: 生成された模範や知識を各問題に合わせて調整。
利点
- ラベル付けや検索の必要性を排除。
- 一般性と利便性を提供。
実験結果
- 数学の問題解決: GSM8K, MATHでの性能向上。
- コード生成: Codeforcesでの性能向上。
- その他の推論タスク: BIG-Benchでの性能向上。
- 0ショットCoTや手動数ショットCoTを凌駕。
評価と結論
アナロジカルプロンプティングは、類推推論に基づいて言語モデルの推論プロセスをガイドする新しい手法です。この手法は、模範のラベル付けや検索の必要性を排除し、一般性と利便性を提供します。さらに、各問題に合わせて生成された模範や知識を調整することで、適応性も提供します。
実験結果によれば、この手法は数学の問題解決、コード生成、その他の推論タスクにおいて、既存のCoT手法を凌駕する性能を示しています。これにより、アナロジカルプロンプティングは、推論タスクにおいて言語モデルの性能を向上させる有望なアプローチであると言えます。この手法は、推論能力の向上だけでなく、問題解決の適応性にも寄与するため、多くの応用分野での利用が期待されます。
【従来の課題】 従来の「Chain-of-thought (CoT) prompting」は、言語モデルが複雑な課題を解決するために中間の推論ステップを生成する能力を示しています。 しかし、上記のアプローチは手動でラベル付けされた例やガイダンスが必要であることが課題とされています。
【主要なアイデア】 この研究では、"Analogical Prompting"という新しいプロンプト手法を紹介しています。 この手法では、言語モデル自体が関連する例や知識を生成し、それらを用いて問題を解決します。 なお、人間が過去の経験から新しい問題を解決する「類推的推論」に触発されています。
【方法論】 Self-generated Exemplars: 言語モデルに、関連する問題とその解決策を自ら生成させます。 Self-generated Knowledge + Exemplars: 複雑な課題に対しては、言語モデルに高レベルの知識も生成させます。
【実験結果】 本アプローチは、0-shot CoTとmanual few-shot CoTを多くの推論課題で上回りました。 平均的な精度の向上は+4%であり、多様な推論タイプが必要な課題での性能が特に向上しています。
【主要な結論】 Analogical Promptingは、手動でのラベル付けや例の取得が不要で、問題に適応した例や知識を生成できるため、非常に有用です。言語モデルが新しい問題に対して効果的に推論できるようになる可能性があります。